6月2日参議院議員会館にて日本ウイグル連盟主催の東京シンポジウム『アジアの「孤児」-ウイグル政治亡命者の現状と日本の役割』を行いました。
司会は国際政治学者藤井厳喜氏につとめて頂きました。

20160602_01

最初にウイグル民族運動指導者ラビア・カディール女史より、今回の訪日で支援して下さった方々、このシンポジウムに参加頂いた方々へのお礼の言葉が述べられました。そして、中国に支配されて以降のウイグルでの弾圧の歴史を概説し、中国政府がウイグル人にさまざまなレッテルを貼って民族同士の対立を煽るような政策をとっていること、2001年以降は国際テロと結びつけてウイグル人をテロリストであると喧伝していると話しました。最近起こったこととして、5月26日に未成年の政治犯が収容されている施設で脱獄が起き、鎮圧の過程で多くの子供達が虐殺されたことを話しました。そして、このような中国政府からの圧政から逃れるため、東南アジアなどに政治亡命している多くのウイグル人がいることを話しました。

ラビア・カディール世界ウイグル会議総裁

ラビア総裁の講演の後に、今回のシンポジウムにご参加くださいました地方議員の紹介をさせて頂きました。
ご参加頂いた先生方は、
前仙台市長 梅原克彦氏
狛江市議会議員 辻村ともこ氏
浦安市議会議員 柳毅一郎氏
荒川区議会議員 町田高氏
秦野市議会議員 小菅基司氏

また国会議員の先生方はお見えになりませんでしたが、中山恭子先生、長尾敬先生、衛藤晟一先生の秘書の方がご参加くださいました。
ご多忙中のご参加に心より感謝致します。

次に、セイット・トゥムトュルク世界ウイグル会議副総裁より、東南アジアに政治亡命しているウイグル人と、トルコのウイグル人亡命者救済の実情が説明されました。ウイグルの土地は地政学的にも資源としても非常に重要であり、中国政府は同化によって、その土地の住民であるウイグル人を抹殺しようとしているとし、そこから逃れるウイグル人はかつては中央アジアに、いまは東南アジアに政治亡命していると話しました。写真資料をあげてベトナム国境で射殺される人や、タイの狭く不衛生な環境に収容される人々の実態を説明しました。このようなウイグル人政治亡命者を救出するために、世界ウイグル会議は全力を尽くしており、それがトルコ政府を動かし、トルコ政府主導で1万人のウイグル人が救済されたと説明しました。

20160602_03

セイット・トゥムテュルク世界ウイグル会議副総裁

セイット・トゥムテュルク世界ウイグル会議副総裁

セイット・トゥムテュルク世界ウイグル会議副総裁

その後ウミット・ハミット世界ウイグル会議副総裁から、言語を奪うということでウイグル人の同化政策が進められていることが語られました。ウイグル語表記文字について、政府によって、従来のアラビア文字を元にしたウイグル文字を1959年にラテン文字表記に変更され、その後1982年に元のウイグル文字に戻されるという2度の変更が行われ、これにより世代間での文字表記での断絶があることを説明しました。そして、現在中国政府は、自治区内でバイリンガル教育を行っていると主張していますが、実際には中国語のみによる授業が行われていること、最近になって幼稚園でも中国語によって教育が行われるようになり、更に子どもたちを親元から離して中国内地へと連れて行き、そこで中国的な思考をするウイグル人を育てるという方法も採られるようになってきていると話しました。

ウミット・ハミット世界ウイグル会議副総裁

世界ウイグル会議からの3人の講演の後に、コーディネーターとして藤井厳喜氏、パネリストとして西村幸祐氏と坂東忠信氏に加わって頂き、パネルディスカッションを行いました。

20160602_09

 

最初に藤井氏より、いま世界的な問題とされている経済難民とは違って、ウイグル難民は中国からの弾圧から逃れ、政治亡命者であることを明確にするべきであること、日本は今まで難民の受け入れに積極的ではなかったが、この態度はウイグル人などの政治亡命者については改めるべき時に来ているのではないかと提言されました。

呉竹会 アジアフォーラム代表幹事 藤井厳喜氏

呉竹会 アジアフォーラム代表幹事 藤井厳喜氏

それを継いで西村氏より、いま習近平国家主席も言っている「中華民族」の偉大な復興という主張はペテンであり、中共が多くの異民族を弾圧しているのが実態であること、そして本来の中国の領土というのは小さく、ウイグル、モンゴル、チベットの土地を占領しているに過ぎないこと、この例としてそれぞれの土地を明確に区分した地図が1932年のシカゴの地図会社が発行していたことを挙げられました。

評論家・ジャーナリスト 西村幸祐氏

評論家・ジャーナリスト 西村幸祐氏

そして坂東氏より、通訳捜査官の経験として、言語が奪われることはその民族として非常に大きなダメージになっていることが説明されました。
また、日本への難民申請数は近年増えてきており、平成27年に中国と分類される人々については167人になっているが、このうちウイグル人はどれくらいになるのかをラビア女史に対して質問されました。ラビア女史より、正確な数字は把握できていないが多くても2,3人程度ではないか、日本にいる留学生などがもし難民申請をすると、ウイグルに残した家族が大変な目に会うため踏み切れないと答えました。
これを受けて坂東氏より、難民申請をすることさえ出来ないというのが、一番苦しいところに置かれている難民と見るべきではないか、中国という国籍の枠で扱うのではなく、ウイグル人はウイグル人の枠として差別化すべきではないかと提言されました。

元刑事・現全国防犯啓蒙推進機構理事・外国人犯罪対策講師 坂東忠信氏

元刑事・現全国防犯啓蒙推進機構理事・外国人犯罪対策講師 坂東忠信氏

またパネルディスカッションでは改めてタイの難民収監所での実態が語られ、5月31日に収監されているウイグル人がハンガーストライキに入るという声明文が出されたことが紹介されました。
自分たちの命を救うため中国から脱出してきたのに、タイでもまた酷い弾圧を受け、強制送還に怯えている。どうせ中国に戻っても殺されるだけだから、ここでハンガーストライキに入る、ということです。
彼らタイの政治亡命者を、そして留学生として日本に住んでいる数千人のウイグル人であってさえも大変な恐怖の下で暮らしていることを、日本としても手を差し伸べて救って欲しい、更に世界ウイグル会議の日本での活動組織として日本ウイグル連盟を支援して欲しい、とラビア女史から最後に語られました。

20160602_10

 


 

シンポジウムの後は「ウイグル代表団を囲む会」のレセプションを行いました。

浦安市議会議員 柳毅一郎氏

浦安市議会議員 柳毅一郎氏

司会は浦安市議の柳毅一郎氏で、最初にラビア総裁よりシンポジウムと引き続きのレセプションへの参加者の方々へ、そして日本に来てから多くの方々と会い、様々な協力を得ることができたことへの感謝が述べられました。

20160602_a03

その後来賓の挨拶を神奈川県議会議員の小島健一氏と荒川区議会議員の町田高氏より頂きました。
乾杯の音頭は呉竹会アジアフォーラム会長代行の廣瀬義道氏に行って頂きました。

神奈川県議会議員 小島健一氏

神奈川県議会議員 小島健一氏

荒川区議会議員 町田高氏

荒川区議会議員 町田高氏

歓談の後に、日本ウイグル連盟と連帯して活動をして頂いている以下の諸団体の方々にご挨拶を頂きました。
チベット問題を考える会 小林秀英氏
日本民運団体協調会 王戴氏
内モンゴル人民党 リ・ガ・スチント氏
南モンゴル自由民主運動基金 チェチェグ氏
皆様より、今後も共にウイグル問題の解決のために闘っていこうという温かい支援と激励の言葉を頂くことができ、とても感謝しております。

最後に日本ウイグル連盟からラビア総裁への花束贈呈と、今回の招聘と各地のシンポジウムを主催した日本ウイグル連盟のトゥールムハメット会長から、ご協力頂いたことへの感謝のスピーチが行われました。

20160602_a10

平日というお忙しい中ご参加頂きました皆様、議員の先生方に深く感謝致します。